あなたと推しは交わらない他人だけど 〜出待ちをするあなたと「行けません」を推しに伝えるあなたへのマシュマロ返信〜
今日は「出待ちは労働力搾取」「行けませんリプは相手の気持ちを考えていないのでは?」という先日書いたエントリへのマシュマロ返信です。また、推しとオタクの関係性についての記事も関連があるので、よろしければそちらもあわせてお読みください。
もくじ
出待ちを続けてしまうあなたへ
一ヶ月ほど前のマシュマロですね。その後いかがお過ごしでしょうか。何かしら気持ちに変化はあったでしょうか。
5年て長いですよね。5年の間、変わらず推しが舞台に立っていること、推しを推せる状況だというのが、まずすごい。そして幸せなことだと思います。
マシュマロ主はきっと聡明だし相手のことも考えられるし、ファンとしての一線を越えないように配慮をする(ないしは推しに近づきすぎることに何らかの罪悪感や恐怖感を持っている)人なのかなと感じました。文面から察するに、プライベートで推しと特別な交流を持っているわけでもないと思います。
まず要点を整理します。
読み取れる事実
- 推しさんは出待ちOKの現場で活躍されている(メッセージから推察)
- 推しさんからの認知がある
- 地方在住で、毎回出待ちをするわけではない
- 出待ちをしないときは、推しさんから出待ちに来ないのかDMが来ることがある
推察できるマシュマロ主の気持ち
- 出待ちは労働力搾取だと思っている
- 出待ちについて5年ほど悩んでいる
- 顔を見たい、話したいという気持ち VS 遠慮すべきでは?の気持ちの葛藤がある
- 推しさんは歓迎してくれているが、本心かわからないので不安
- もし観劇のたびに出待ちをするとしたら、しつこいのではという不安がある
- 苦しいので、出待ちを習慣にするんじゃなかった
これ、事実にのみ目を向けた時、駄目なことって特に見当たらないですよね。
おそらく出待ちが禁止されている現場ではない。そして、出待ちに来ないか向こうから問いかけのDMが来ることがある。これ、嫌われてたらDMは送って来ないと思うんですよ。好かれてるかどうかはわからないけど、少なくとも嫌われてはいない。
例えが適切かどうかはわからないけど、ホストの営業メールみたいな感じ。でも、彼らって来店が売り上げに直結するじゃないですか。そこが舞台俳優とは大きく違う。推しさんは板の上以外、出待ち対応というサービス残業をマシュマロ主相手にしてもいいと思っているのかなと感じました。
今のままじゃだめなんでしょうかね。
だめだと思ってるし苦しいから、マシュマロを送ってるんだろうから、だめか。
でも、何が苦しいんだろう。5年も苦しむのって相当ですよね。遠征して観劇のたびに出待ちするかでも悩むわけでしょう? それはしんどいよなあ。
時が解決してくれることもあると思うけど、5年ももやもやしてて、見ず知らずのわたしにメッセージを送って来るってことは、多分手詰まり感があるんですよね。十分考えた、でも答えが出ない、みたいな。
相手のことを思うと、そもそもこんな習慣にしなければよかったと今は思っています。苦しいです。
マシュマロを読んでて一番引っかかったのは、この部分です。
これは「相手のことを想うと」の意味なのかな。それとも「相手のためにと考えると」って意味なのかな。
好きだ、板の上以外での顔も見たい、声が聞きたい。だから出待ちをしたい。でも相手の負担になりたくない。これって負担になりたくないからって気持ちより、迷惑に思われたり嫌われたくないからって気持ちの方が強い気がする。なんとなくですけど。
「相手のためにと考えると」って意味だと、嫌われたくないって気持ちを「相手のために」ってすり替えてることになるけどどうなんだろう。
わたしはエスパーじゃないし文章から推察したにすぎないから、間違ってたり勘違いかもしれないけど。
本人はかまわない、歓迎だと言ってくれますが、
ここから推測するに、自分の出待ちについて推しさんに話したことがあるんだと思います。でも本心かはわからない。だから割り切れない。能動的にどうにかしたいのなら、突き詰めるしかないと思うんですよね。出待ちを労働力搾取だと感じていて後ろめたく思ってしまうこと、でも少しでも顔が見たい声が聞きたい気持ちが消せないこと、しかし相手の負担になるのは嫌なこと。
推しさんがマシュマロ主にだけDMを送ってるのか、多くの人にDMをしているのかわかりませんが、DMが来るような関係を築けているのであれば、自分の割り切れない気持ちを正直に伝えてみるのもひとつの手かもな、と思います。これは推奨という訳ではなく、あくまでも方法のひとつとして。それが「推しとファンの健全な姿」なのかはわからないし、マシュマロ主が言うように「交流しすぎ」てしまってるのかもしれないし、それでまた苦しくなるかもしれないけど。
過去を悔やむことって時間の無駄だと思うんですよ。わたしは「やっちまったなー…」と思ったり、過去を思い出してジタバタしたくなることはあるけど、悩みも悔やみもしないです。振り返って反省することはあるけど。
どういう気持ちで出待ちを始めたのか
それは何を求めてのものだったのか
その気持ちはどう変化をしていったのか
自分は推しとどういう関係を築きたいのか
そのために今後必要なのはどういう行動か
過去や現在だけでなく、視点を未来に向けて、自分がどうしたいのか、どう行動をしていくか決めるのもいいかもなと思いました。
すっぱり止めてしまうには、交流しすぎてしまった。
これがきっとどんな言葉にも変えられない真実なんだと思います。それはマシュマロ主側だけの話ではなく、もしかしたら推しさん側にとってもそうかもしれない。
でも、そう思うのはマシュマロ主だけかもしれない。
心の底で自分がどう思っているかを一度考えてみて、これから先どうしたいのかは、自分で決めてみてください。
いつも読んでくださってありがとうございます。
「行きたいけど行けない」を推しに言ってしまうあなたへ
-------------- 中略 --------------
まずはおつかれさまです。大変でしたね。今もがんばってる最中なのかな。
伏せ希望なので引用をしつつ書きます。
まずは要点を整理します。
- 全通〜最低9割は参加するオタク
- 推しさんのマシュマロ主の認識は「基本全部いるオタク」
- チケット入手困難・長期公演に推しの出演が決まった
- 必死でチケットを確保しなんとか半通はできる
- 普段は使わないが今回は「行きたくても行けない」を何度も言った
- その理由は、モチベが下がった訳でも応援の気持ちが変わった訳でもないと伝えるため
- 記事を読んで「行きたくても行けない」を言う人は努力を怠っていると言っているように感じた
読んではじめに思ったのは「すごいなあ」でした。
ガッツってすごいと思うんですよ。だって、推し事ってのめり込めば込むほどしんどいじゃないですか。気力体力労力、時間とお金を使うし、スケジュール調整も必要になる。人それぞれ推し事を通して求めるものは違うし、何かしらの楽しさがあってやっている事だと思うけど、しんどさはありますよね。間違いなく。ガッツには程遠いわたしですら、あらゆる手間にめんどくせーーー!ってなります。だから、その数倍がんばってるガッツの人たちはすごいんですよ、間違いなく。
人気の長期公演に推しが出ることになってしまうオタクに対しては、今回の記事は突き刺さるものでした。
これはね、意図せず刺さった感じだろうなあと思いました。なぜならあの記事は、「関係を築けていない人間(=有象無象)が送るリプ」について書いたもので、ガッツを指して書いた記事ではないからです。でも、それでも無視できないくらい、何かしらピンポイントで気になる部分があって、刺さってしまったんだろうな。
推しも私のことを「基本全部いるオタク」という認識をしているので、普段なら使いませんが、今回はさすがに「行きたいけどいけない」という言葉を何度も使いました。
なんとなくだけど、これってリプではなく接触や手紙で言ってるんじゃなかな、と感じました。どうなんだろう。
マシュマロ主の場合は、言ってもいいんじゃないかあ。というかわたしが同じ立場でも言うんじゃないかな。無差別に何度も「行きたいけど行けません」だけリプで言ってたとしたら、それはちょっとどうなんだろうと思います。でも、接触や手紙で事情を話して伝えるのなら全然良いと思う。だって、それなら背景が行けない背景がわかるじゃないですか。たぶん。
オタクが人生を賭け金にしてることを理解している「推し」はそこまで多くないのかもしれない。自分でチケットを取った事とかあんまりないだろうし。オタクが苦労してることを理解している「推し」って、実はめちゃくちゃ少ないのかもな?と思います。
「行きたいけど行けません」と言う心理〜そのリプは、気を引きたいだけではない〜 - 晴れた日のねどこ
演者や作り手って、おそらくオタクのことをそんなにわかってないじゃないですか(鴻上尚史さんが前のめり問題で燃えましたよね…)。たぶんですけど、人気公演のチケットの取りづらさ、どれほどの思いでチケットを確保しているかって、彼らはわからないと思うんですよ。さらに、ガッツって「なぜか常にいる人」で「来てて当然」扱いになりがちだと聞きますし。
今までほぼ全通できているという部分から察するに、今回ほどの人気・長期の公演への推しさんの出演は初めてのことなのかと思います。
…って考えると、マシュマロ主の「行きたいけど行けない」って、言ってもいいと思うんですよ。むしろ、ガッツこそ言ってもいい言葉だし、効力を持つ言葉かもしれない。不安な推しが安心できる言葉になるかもしれないし、それだけ大きなステージに立てたという自信になるかもしれない。もちろん言い方によるだろうけど。
推しさんがどれくらファンを気にする人かはわからないけど、客席に知った顔があること、いつもよりは来れないと事前にわかってたら、ちょっと安心するんじゃないかな。わたしは推しさんじゃないのでわかんないですけどね。
マシュマロ主、すごく努力してますよ。努力を怠ってなんてないです。どれくらいの期間推してるのかわからないけど、ほぼ全通なんてなかなかできないもん。すごいですよ。
ガッツはそんな言葉使わない、というように感じていらっしゃるかもしれませんが、ガッツほど「自分の観れない公演」に不安を抱くものです。
すべては関係性による
推しも人間なので、当然感情があり性格がある。が、推しとファンは「推しとファン」なので、1:1で築く信頼関係ってなんだよ!とツッコミを入れたくなる。 …が、推しもオタクも人間なので関係というものは存在し、信頼の有無や強度もまた存在する。店員と客で例える、推しとファンの関係性 〜オタクの同調圧力と謎の思考〜 - 晴れた日のねどこ
人間が二人以上いると、そこには「関係」が発生します。「推しとファン」というざっくりとした言葉では語りつくせない、色々な関係がきっとある。濃度や強度はそれぞれ違う。
なんの話でもそうだけど、結局は相性とか関係性(初めての手紙かそうでないか、向こうはこちらを認識しているか否か、こちらをどう思っているかなど)の問題になるので絶対の正解がないから難しいよね。【6/25更新】舞台俳優へのファンレターで気をつけていること、自作方法など - 晴れた日のねどこ
わたしたちは、自分自身が見ている世界を “normal” …正常であり、標準であり、一般的な、「正しい」ものだと思いがちです。 しかし、本当は唯一絶対の正解なんてどこにもない。 皆どこかしら狂った部分がある。 その振れ幅は人それぞれだし、受け取り手も千差万別自分の見る世界は“normal”か 〜他者を愛し愛されたいと願う物語〜TENTHネクスト・トゥ・ノーマル感想 - 晴れた日のねどこ
あなたと推しは友達じゃない。家族でも恋人でもない。赤の他人です。だけど、きっとあなたはいつも推しのことを考えてて、大事に思ってて、好きなんだと思います。
推しがいる人たちが健やかに推し事をできますように。
余談
マシュマロめっちゃ溜まってます。たぶんツイッターで答えます。「@kansoubn #マシュマロを投げ合おう」とかで読めます。大体ツリーで色々書いてる。ものによっては記事にします。
ふわふわマシュマロとか感想とか、知らないことを教えてくれるもの、ありがとうございます。理論破綻を繰り返す読解力壊滅ブーメランぽんこつクソマシュマロ職人も、いつもおつかれさま。ネタの提供ありがとう、届いてる範囲で楽しく見てます。
できれば自分の言葉で話をしたいし、魅力的まで行かずともましな人間になりたい。だからわたしは、拙くても自分の頭のなかを言葉に落とし込もうとあがきます。ブログを書くことの功罪 - 晴れた日のねどこ
今日はそんな感じで。
それでは良い推し事ライフを!
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どんどん増えていく…これを解消するために、いま過去ツイートを掘り返して同時進行でガツガツ下書きをしてる最中です。(★ありがとうございまます。★が引用スターで、☆がマシュマロで現状いただいてるリクエストです。)
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