舞台「SAMAEL」を観てきました。
前情報が少なかったので、どんな話なんだ…? というかあらすじはあるのか?あまりにアーティスティックすぎて訳がわからないまま終わったりしないか?と不安でしたが大丈夫だった。
よかった!
生演奏と生歌、熱量の高いお芝居とストーリーに絡んだダンスシーンが贅沢に楽しめる舞台でした。
サントラは毎日聞いてます。
ほんとに曲も歌もいい…。野上さんのほかのCDも欲しいな。
早速全体の感想を書き…たいんだけど、推しが演じる役とそれについての考えをふせったーに書いただけで7000文字オーバーしたので、一旦そちらをベースに現段階の感想をブログで残しておきます。
オキソはなぜあんなにも自分を孤独だと思っているのか、彼にとっての救済とは?とか、そんな感じの話です。
ネタバレしてます。
ちなみにストーリーや前情報のざっくりしたまとめはこんな感じ。
一応相関図も作ってます。ちょっと手直ししてUPし直そうかな。
- オキソに対する率直な印象
- オキソの言う「光」とは
- 他者との断絶、「孤独」とはなんなのかという持論
- なぜオキソは自分を孤独だと言っているのか
- 「救世主」に憧れる少年
- 選択を肯定するのは自分じゃない
- オキソにとっての「孤独」と「救済」
- 身も蓋もない感想
- 推しの説得力がすごくてオキソにブチ切れ
オキソに対する率直な印象
オキソに対する現時点での印象は「繊細ぶっててナルシストで自己完結してて、そのくせ妙なところでプライドが高くて周囲に対して勝手に壁を作る童貞力高すぎ厨二病こじらせナード」
自分を見てるみたいでイライラするのかもしれない。
1回目の鑑賞でラストシーンについて「えっ、そこでその台詞言っちゃうの!?」と思ってモヤモヤして、2回目の鑑賞の途中でオキソにイライラしてきた。
ローレンシウムがあんなにもまっすぐにオキソのことを思ってるのに、なんでお前は孤独ぶっているんだ。コミュニケーションを取れ。もっとちゃんと周りを見て!ちゃんとオキソのこと考えてる人いるのに「俺は孤独」とかなんなの!?こじらせ厨二病で童貞マインド積載量オーバーしたみたいな考え方はやめてくれ、自己完結するなよ、他人とキャッチボールをしろキャッチボールを!かっこつけずにもっと自分をさらけ出せよ!!もっと熱くなれよ!!!
オキソの言う「光」とは
オキソの歌の「光」というのはローレンシウムなのだと思う。
同じ研究者で間近に秀才だったり天才だったりがいたら、きっと普通は妬んだりする。
能力の無さに歯がゆい思いをしたり、努力が足りないのかと自分を責めたり、あいつは特別だからと無理やり諦めようとして、でも割り切れなくて悔しくて…、ってこともあるんじゃないか。
だけどローレンシウムにはそういう描写がない。
実は内心そう思っている?と考えたりもしたんだけど、どうもしっくりこない。
メサイアの毒性の話が出た時は妻のクロムの誕生日を祝えないことを謝り、脱獄した後のことを話す時は豊かな暮らしをさせてあげられないことを妻に詫び。
ずっと味方だと恥ずかしげもなくオキソにまっすぐに言うし、自分が知らないことをコバルト・クロリドとオキソが共有していることに友情を裏切られたように感じて怒る。オキソを詰るフェノールに発言を訂正しろと声を荒らげる。
正直、社長の器ではないとは思う。
視点が身近な人に当てられ過ぎていて、俯瞰で物事を見通せる人間ではないから。
だけど彼は身近な人を大事にしたい人なんじゃないかと思う。
ただただ、まっすぐに。
それがきっとオキソにはまぶしかったんだと思う。
オキソは心の底から他人に関わろうとしていないから。
こんなにまっすぐ愛されてるのに、なんでそれを受け取ろうとしないんだよオキソは。
孤独だ孤独だ、誰も自分を理解してくれない…って、なんだそれ。自分で壁を作って自分で勝手に孤独になろうとしてるだけじゃん。
お前は試し行為を繰り返す面倒臭い女かよ…(試し行為の使い方が間違ってる)
自意識過剰な漫画モテキの主人公かよ…
更に、自分は悪魔ってなんだよ…厨二病こじらせすぎかよ…荒ぶる右手を鎮まれと抑え、邪気眼が疼きだすのかよ…
他者との断絶、「孤独」とはなんなのかという持論
なんでこんなにイライラするのかなーと考えて、よく考える「自他の境界」とか「他者との断絶」というところにやっぱり行き着いた。
「他者と違うが故に抱える苦悩」みたいなのはきっとあると思う。(というような話はここにも書いた)
オキソもローレンシウムも、研究に明け暮れて他人から相手にされないはみ出し者。自分たちをそこに追いやった奴らの鼻を明かすんだと息巻いてたから、所謂カースト上位の人たちに対する羨望や嫉妬はあったと思う。
更にオキソは「天才」。
蔑まれもするけど憧れられたり妬まれたりもきっとする。
ナードという属性で多くの人たちの「仲間に入れない」という「断絶」、
「天才」だから他者に理解されないという「断絶」。
二重の断絶に苦しめられてたんじゃないか。
「断絶」というのは自分と相手を地続きの場所に置かずに、分断した場所に据えて相手を「異物」だと認識(無意識に差別を行う)した相手との間に起こることだと思う。
ローレンシウムはオキソを「異物」だと思って無邪気に区別をしたかというと、きっとそうじゃない。天才だと思ってるし魅力があるとも言ってる。だけどローレンシウムはオキソを対等な一人の人間として扱ってたと思う。賞賛することで彼を孤独に追いやってはいない。
(賞賛が人を孤独に追いやることがあるという話はこの辺に書いた )
オキソは孤独なんかじゃない。
だって、オキソの側にはローレンシウムがいるから。
なんで彼のことを信じられなかったの? 信じようとしなかったの?
自分が傷つきたくなくて、狭い部屋に閉じこもり踏み出さず、心をさらけ出すのを怖がる臆病者でしかない。
なぜオキソは自分を孤独だと言っているのか
仮説①…ローレンシウムが伴侶を得たから拗ねた(精神的な繋がりを他人と持てていないと感じている)
→自分から心を開いて他人と繋がろうとしろ。
ローレンシウムはいい奴だからそりゃ仕方なくないか。
主体性はないし気が弱いけどまっすぐで優しいもん。
オキソのせいで霞んで見えるけど、頭もいいしお金持ちという属性も持ってる。
(クロムは性格に惹かれたと思うのだけれど)
パートナーの有無でしょんぼりしてるとしたら、セシウムあたりをちょっと口説けばいいじゃない。わかりやすく好かれている。(軽い気持ちで付き合って案外うまくいくパターンもあるかもしれないし)
でも、自意識をこじらせていてそういうのが苦手そうだし、そうでなくても(仮に意識していたとしても)「あまりがっついたら嫌だと思われるかもな」とか思ってたりしそう。
め、め、めんどくさい!!他人はお前のことをそんなに色々考えてないよ…! 童貞力が高すぎるよオキソ!!
わたしは「恋愛関係にある二人の精神的な繋がりこそが至高」みたいな考えの持ち主じゃない。
だから伴侶が最優先で友人は二の次、みたいなのがよくわからない。
どの状況で何を優先するかはケースバイケースだから。
だからこそ、「ローレンシウムにはクロムがいるのに、俺は…」みたいにオキソがもし考えていたとしたら、いやいや、むかしからローレンシウムはオキソのことを考えてるじゃん、と思うし、他者との精神的な繋がりを自分から拒絶してるのはオキソ自身じゃないか、と思う。心を開けよオキソ。
仮説②…肉体的な繋がりを他人と持てていないと感じローレンシウムと自分を比べて拗ねた
→自分もモテる努力をしろ。というかサマエルリーダーになってからはモテるだろうし、寂しかったら素人なりプロと遊ぶなりしてみても良いのでは?
オキソはひとりっ子ぽい。そして男系家族で女に変なファンタジーを抱いていそう(ヘテロ前提で話を進めるけど)。
漫画モテキの主人公みたいな自意識過剰のひとり相撲こじらせ童貞野郎なメンタリティだったら、風俗とかもいかなさそう。
「いや、おれはそういうのはいいよ」とかかっこつけて言いそう。めっちゃ興味あるけど興味ないですみたいなポーズをとりそう。めんどくさい。
取り急ぎお手軽に割り切った関係を持ったりっていうのもできなさそう。「ロマンチックじゃないから」みたいな理由で。心の底で「ありのままのおれを理解してくれる理想の女性が現れるはずだ」とか思ってそう。だからセシウムにもかっこつけて(?)接してるんだとしたら、本当に、心底めんどくさいなこの男は。
オキソのばか!なにが「ありのままのおれを理解してくれる理想の女性が現れるはず」だ!!!(※そう思ってる前提で勝手に話を進める)
そんな人いません〜〜〜〜!!!
「ありのまま」の自分を受け入れてくれる人なんていません!!幻想です。
自分だけ安全地帯にいて何も差し出さずにやさしく包み込んでくれるような存在…??
そういうのはママに頼みな!*1
ちゃんと相手を人間として扱おう。
他人は自分の人生という名のストーリーの都合がいい脇役じゃない。血の通ったひとりの人間で、その人それぞれが自分が主役の人生を生きてる。
成人してるんだから現実を見よう。アナ雪で「ありのままの〜」と歌ってるけど、あれは嫌われるリスクを背負った上で、ありのままの姿をさらけ出す自分を肯定しているからオッケーなのであって、自分だけ傷つかないようにポジション取りして相手には何かを求めるのはアウトだからな…?めっちゃくちゃ童貞マインド溢れてるからな?
仮説③…そもそも自分は誰にも理解されていないと思ってる
→それはお前が他人に対して心を開いておらず、上っ面の付き合いをしているからです。
オキソって完全に自己完結してない?
白馬の王子様を待つ女の子みたいに、部屋に閉じこもって誰かが扉を開けて連れ出してくれるのを待ってる。
自分から外に出ればいいのに、他者が自分が思うようなアクションを取ってくれるのを待ってるように感じるんだよね。
しかしオキソ…自分を魅力的に見せる術に長けており対人関係を卒なくこなせる技量があるなら、もっと前の段階でそれを発揮して、他人とぶつかって傷ついていればよかったのに。
大人になってからだと思い切りよく転ぶのって大変だもん。
臆病にならず、自分から壁を作らず、ちゃんと周りと向き合ったりぶつかったりすればよかったのに。
本当にちぐはぐでアンバランスなキャラクターだなと感じる。
「救世主」に憧れる少年
監獄のシーン、トリアゾールが「13人の救世主の話を」みたいなことを言ってるとき、オキソは泣きそうな顔をしてた。
オキソははじめ孤独だった。
メサイアの開発によって、自分を孤独たらしめていた世界に「復讐をしようとしてた」。(毒性の有無がわかってたかどうかはちょっと置いといて)
世の中の有力者を仲間に引き入れる、これ自体が「復讐」とも言える。自分たちをばかにしてたような立場の人が、メサイアに目が眩んで仲間に入るなんて滑稽だから。
だけどそういうふうには見えない。
…オキソはもしかして、ヒーローに憧れていたのでは?
「皆に愛される正義の味方」「正義の集団」のようなものに輝きや憧れを感じていたんじゃないか。
カースト下位のコンプレックスをこじらせて、いけてるカースト上位組に憧れて、でも心の中は子どものままで、だからそれが「秘密結社サマエル」結成に結びついたんじゃないか。
*2
仲間外れだった男の子が、世界の中心人物を次々と仲間にして世界を救うなんて、
ノリが完全に少年だ。
オキソはきっと、自分を仲間外れにする他人が何を考えてるかわからなかったんだと思う。
だから考えさせた。
自分たちをばかにしてたような人たちの極みとも言えるカースト上位者、世界の要人が、非常事態に何を考えどう行動するか知りたかったんじゃないか。
その結果、皆真摯に問題に向き合い、自分自身の選択と責任について考えた。
そこで彼らもちゃんと「人間」だったんだとわかったのかもしれない。
だから泣きそうになってたんじゃないかな。
憧れていた救世主には、自分はなれない。
自分の元に集まった「正義のヒーローたち」に仲間だ友人だなんて言いながら、オキソはきっと誰のことも信じていない。
仲間のようなもの、友人のようなものを表面上なぞるだけで、自分は心の中に誰も入れないまま、身勝手に他人の心を暴こうとする。
ユグドラシル社のトップにローレンシウムを据えた理由を述べた
「自分のような捻じ曲がった人間がトップに立つと革命が起こりえないから」という台詞はきっと心からのものだ。
オキソは自分の幸福のためにサマエルを組織し利用した。
いつだってオキソは良くも悪くも自分の「理想」を追求していた。
相手のことを考えずに。
他人に目を向けずに、自分のことばっかり見てた。
そんな「捻じ曲がった人間」が救世主になんてなれるわけがない。
選択を肯定するのは自分じゃない
舞台サマエルに「選択」についてのメッセージが込められているなら、
わたしはいま真逆のことを言っている自信がある。
選択には責任が伴うこと、起こった出来事に対しどう向き合うのか、あなたはどう行動をするのかという問いが舞台サマエルには込められているんじゃないかと思う。
自分で自由に選択ができることが幸福であり、それは他者に批難されるべきではないということをオキソは言っていた。その「幸福の定量化(最大化?)という観点」から話すと、自らの選択も他者に批難されるべきものではないということになる。
…いやいやいや、ちょっと待てよ。
ちょっと待ってください。
それは自分に適用してはいけない。
ぼくが25歳で俳優を辞めて実業の世界に飛び込もうとした時、周りは誰も賛成してくれなかった。
— 一ノ瀬 京介 (@sasutena_create) June 11, 2018
なぜ俳優の道から逃げるのか?と言われた。
あれから8年が経った。
あの時ぼくが実業の道を選ばなければ、SAMAELが誕生する事はなかった。
この8年間の《選択の連続の結果》が、今だ。
悔いはない。
自分の選択を自信を持って肯定出来るようになるには、圧倒的な努力の上に成り立つ確かな結果を、自分で目の当たりにする事だと思う。
— 一ノ瀬 京介 (@sasutena_create) June 11, 2018
その《景色》が、あー間違ってなかったんだなーという実感を与えてくれるよね^ ^
脚本の一ノ瀬さんのこの文脈でいうと、それはめちゃくちゃ正しい。
でもオキソ。オキソは自分にそれを適用してはいけない。
とある作品の話をする。
キリスト教、ユダヤ教、臨床心理学、ユング、ニーチェ、社会心理学、科学用語、SFなど多くの要素を盛り込んだ名作の声が名高いとあるゲームがある。*3
そのなかに、主人公の恋人と世界中の人命を天秤にかけるというシーンがある。
仲間たちは前者を選んだ。
そこでわたしは「まじか!」と思った。
いや、わかる。
世界を救ったって、自分たちは英雄になれるわけじゃない。
多くの人たちは世界の危機と戦う自分たちのことなんてまったく知らず、
幸せに、あるいは不幸せに日常を過ごしてる。
どのみち世界の行く末は自分たちの手に委ねられている。
だったら自分たちは今までずっと一緒に戦ってきた彼ら二人を選ぶと仲間は言った。
名前も知らないたくさんの人と、
一緒に過ごして苦楽を共にしたひとりの人間のどっちを選ぶ?
「最後くらい自分のために戦ってもいいんじゃないか」
「私たちも彼女を助けたい」
恋人を助けたいというのは自分のエゴだ。それを優先することに主人公は逡巡していた。
だけど仲間たちは、彼の決断の後押しをした。
話をオキソに戻す。
この話を思い出して、やっぱりオキソむかつく!とわたしは思った。
「その決断は尊重されるべきだ」とオキソはベンゼン社長に言っていた。
他人に言うのはわかる。
でも、自分にもそれを適用しちゃいけない。
それをオキソに言っていいのはオキソ以外の人物だと思う。
某ゲームで言えばパーティメンバーという「主人公以外」が決断を尊重したし後押しをした。
だけど舞台サマエルだと話が違う。
だってオキソは徹頭徹尾自分のことしか考えてない。
自分の欲求と世界を天秤にかけ、その上で12人のメンバーに問いを投げかけた。
あなたはどう思いますか、これは善なのか悪なのか?
あなたはこれからどうするんですか?
そして自分では責任を取らず、他人に残務整理を任せて世界から退場をする。
オキソにとっての「孤独」と「救済」
オキソは最後につぶやく。
「 《メサイア》は僕を孤独から救ってくれた救世主だった」
オキソにとってローレンシウムってなんだったんだ、ふざけんなよ、コケにするのも大概にしろよ!?という憤りが湧いてくる。
だってその台詞は、彼にずっと寄り添っていたローレンシウムひとりより、たくさんの「世界の有力者」たちと話し合ったことの方がオキソには大きく、それが救済たり得たということだから。
そしてここが一番の問題なんだけど。
オキソ!お前のその身勝手で独りよがりな願望のせいで多くの人間が苦しんでいるんだぞ!!!???ふざけるなよ!?
人が死んどるんやぞ!!!きっとこれからも人が死ぬんやぞ!?
数百人単位じゃ済まない。数千人、悪くしたら万単位の人間がこれから死ぬ。死にはしなくても後遺症が残る可能性が高い。
すでに土壌汚染が広がってるから、その土地で作られた作物を食べるのはリスクが高すぎる(いくらアルキンが動いたとしても、汚染を除去する薬品が開発されなければきっと無理)。
となると他国から食料を輸入しなきゃならない(だからコバルト、クロリドは戦争を終わらせようとしてたのかなー)
戦争で利益を得ていた人間も、一次産業で利益を得ていた人間も大打撃だよ。
なのに自分は孤独な悪魔だとかかわいそうぶってる。
いやいやいやいや、オキソの言ってることは正しい。わかる。
断片的に、一部分だけ取り出せばその通りだ。
だけど、もともとはお前が発端だからな!?
問題はメサイアの開発でもそれを広めたことでもなんでもない。
お前のコミュ障ここに極まれりって感じのこじらせ童貞クソ野郎自意識過剰なあまえんぼうマインド大爆発のせいで、世界中に被害を出してるんだからな!?
なーにが「ぼくは孤独な悪魔」だ。
勝手に自分を孤独だと思い込みやがって!!!
天使みたいな声で歌ってたって、絶対に許さない。
おまえはとんでもなく無責任で大馬鹿野郎だよ。
レバーを狙って横腹にパンチを入れたい。*4
自分一人の幸福のために世界を犠牲にした
とんでもない男だよオキソは。
愛されてることに気付けないのは臆病だからだし、
自分をさらけ出せないのは傲慢だからだよ。
身も蓋もない感想
この話が何を狙っているのかの本当のところはわからないし、
ガンマ監督っぽく言うと「どう感じるかを決めるのはお客さん」なので、これが正しい答えなのかはわからない。
(というか、世に出した作品ってもう製作者の手を離れているわけだから、その時点でコントロールができない。人の数だけ受け取り方=正解があるから正しいも間違ってるもないんだと思うんだけれど)
でも今のところ、良く言えば「孤独を抱える未熟でひとりよがりでロマンチストで臆病な天才に振り回された12人の、世界を巻き込んだ決断と選択を巡る物語」って感じだし、
身も蓋もない言い方をしたら、「厨二病と自意識過剰と童貞マインドをこじらせた天才のエゴの結果、国家も世界も危なくなってるけど、本人が超魅力的なのでなんかいい話っぽくなってるが俺は騙されないぞ!!!オキソ絶対に許さない!!!」という感想。
いやーーー、でもさーーーー、あんな堂々とした男前かつインテリマッチョ(でも思考は小学生そのまま)がいたらそりゃ許しちゃうよね…(チョロい)
ローレンシウムじゃないけど、「お前には不思議な魅力がある」とかね、思っちゃうよね…
悔しい。でも絶対に許さないからな!!!!
お前の涙なんかに騙されないから!!
オキソ!!!お前はただの童貞マインドこじらせ無責任クソ野郎だぞ!!!!*5
推しの説得力がすごくてオキソにブチ切れ
この話、オキソがspiさんじゃなかったら全然違うものになってただろうなと思う。
もちろん13人それぞれの個性がぶつかり合って熱量の高いお芝居をしている舞台だから、キャストが一人変わっただけで印象はガラッと変わるんだろうけど。
くっしゃくしゃの頭をした、見えないライトセーバーを振り回すぼんやりした子供っぽい冴えないナードと、ぱりっとした存在感と貫禄のある出で立ちの秘密組織のリーダーという振れ幅。
声や言葉や歌、視線に宿る説得力。
take me out2018で、藤田俊太郎さんはspiさんのことを「“聖と俗”“透明と濁り”が同居したような人」と言っていた。
両極の要素が多く同居しているんじゃないかという意味で、わたしもそう思う。
何が本当で何が嘘なのかよくわからない。
安定してるようにも見えるし不安定にゆらゆら揺れてるようにも見える。
落ち着いていて堂々とした大人にも見えるし、いたずら好きの少年のようにも見える。
スマートに物事を進められそうにも見えるのに、当たり前に皆が知ってるような知識がすっぽ抜けてそうな雰囲気もある。
たぶん本人の中では考えの筋道が通ってるんだけど、他人から見たら思考のルートの選び方がいまいち見えづらくていきなり考えが飛躍したような感じで謎(もしくは天然)っぽく見られがちだったりするのでは?という感じがする(が、ものすごく計算づくで色々やってるとわたしは思っている)。
まあこれはわたしがspiさんについて勝手に思ってることで、事実がどうかはまったくわからないんだけれども。
両極の要素を持ち合わせている故に感じる不思議な魅力がすごく活きていた役、それが舞台サマエルのオキソだったんじゃないかなーと思った。
役の説得力が尋常じゃない。
じゃなきゃこんなにもやもやしないし、キレたりしない。
次に観たらまた印象がかわるのかなー、それともオキソへの怒りが増すのかな。
なんにせよ、きっと違った演技が見られるって思ってるから、すごく楽しみ。
…しかし天才かもしれないけど、オキソは絶対に仕事できないし駄目男だよ…。
だって、ちょっと冷静になって考えてみて欲しい。
他人に責任の所在を問いながら、自分は孤独な悪魔だ〜って歌いながら退場って、厨二病こじらせきったただの無責任男でしかないからな?
あぶないあぶない、天使みたいな歌声に騙されるところだった。
何言ってるかわからなくなってきたけど、それもこれも、推しが魅力的にオキソを演じていて、かつハマり役なのが悪い。
また何回か観に行きます。
(でもなんだかんだでオキソにはたぶんまたキレると思う)
ツイート見返してたらずっとオキソに腹立ててた。
オキソのキャラクターに腹を立てているけど、歌がものすごく良いし好きなのでサントラを聴きながら「何が『ぼくは孤独な悪魔』だ!!!天使みたいな声で歌いやがって!!」と意味のわからない怒り方をしてる。 #舞台サマエル
— かんそうぶん (@KansouBn) June 10, 2018
オキソ、ちょっと1発殴らせてほしい。めちゃくちゃ魅力的だからこそむかつく。
— かんそうぶん (@KansouBn) June 11, 2018
むしろspiさんのオキソが魅力的だからめちゃくちゃオキソに腹を立ててる。オキソ、あいつ絶対仕事できない。一緒に働きたくない。一見仕事できる風だけど騙されないからな!?
— かんそうぶん (@KansouBn) June 11, 2018
マシュマロをやっていますよ。
感想でもお題でも質問でも苦情でも何でも。
TwitterのDMも解放してます。
*1:罵り言葉として「ママ」を出したけど、真面目な話、母親にすらそれを求めたらアウトだと思う。お母さんはひとりの人間であって「お母さん」という生き物ではないので
*2:ところで秘密組織なのにみんなが知ってるってなんなんだ。フリーメイソンみたいなもの…?
*3:残念ながら確かリメイクはされてない。PSアーカイブスではプレイできたと思う
*4:鍛えてる人間相手でもレバー部分に打撃がヒットするとダメージを与えられるらしい
*5:童貞をdisに使ってるけど、自分の事しか考えられないそのマインドをdisっているのであって、童貞を馬鹿にしているんじゃないということは一応書いておく
*6:ちなみにわたしはめちゃくちゃモテキが読み返したくなりました モテキ(1) (イブニングコミックス)