晴れた日のねどこ

答えの出ないことばかり考えている

男、女、民族としての業。濁流に飲まれ抗い命を落とした女の物語〜ROMALE 感想

 

貸切公演に行ってきました。
1幕の終わりからほとんど泣いてた気がします。
これは無理!もう一回観ないと無理!と追いチケしたので、現段階でTwitterに書き散らした感想をざっとまとめておきます。
ストーリー自体のネタバレはなし。ただしインタビューからわかる程度の内容や、一部のセリフを書いているので、気になる方は避けてください。




ROMALE(ロマーレ)~ロマを生き抜いた女 カルメン
観終わってから後、このタイトルの意味がじわじわと胸に響いた。
ロマーレは  「男」「女」「民族」としての業をそれぞれ背負った登場人物と、愛という濁流に飲まれ抗い、命を落とした女の物語だ。


ストーリーの説明にも出てきた
「私って女はきっとあんたを不幸にする」
この台詞を聞いてから、涙が止まらなかった。

 

 幕間に投稿したツイート

 


カルメンのホセが可愛くなってしまう気持ちだったり、「その瞬間は本当にそう思って」口にした言葉は紛れもなく真実なんだよね。
一途でまっすぐで、だから眩しいホセにどうしようもなく惹かれて、でもどんなに惹かれあってても、これが上手くいかない恋だというのは初めからカルメンにはわかってる。

「楽しませてあげようと思って」
そんなことを言ってホセを遠ざけようとしても、結局は彼に囚われてしまう。
だってもう、惹かれあってたら仕方がない。どうしようもできない。誤魔化せない。

不幸になるってわかっててもホセの手を取ってしまうところに
カルメンのロマとして生きる絶望、諦念、それでも必死に手を伸ばすひたむきな愛を感じて、
涙がこらえきれなかったです。




ホセが伍長としてまとめる部隊の兵士たちは、カルメンを蔑みつつも彼女から目が離せない。
カルメンは誰にでも愛想を振りまいたかと思いきや急に冷たい目で拒絶してきて捉えどころがない。
ロマは「劣った」「卑しい」民族であり、カルメンは「阿婆擦れな女」
だから、俺たちが「遊んでやってる」んだ、そう思わないと多分やってられない、この差別が根付く社会の中で、本気で惚れてるなんて言えない。


だからこそカルメンは、ホセのまっすぐさ一途さが眩しいし怖い。
誰に蔑まれようと、構わない。
だけどホセだけには…という期待。でも分かり合えない絶望的な断絶が二人の間には横たわっていて、その度にカルメンは自分をロマだとまざまざと感じさせられる。

体に流れるロマの血は何よりも強い誇りであり呪縛。
誰よりも自由で気高く、そしてロマの血に囚われ、一生をロマとして生き抜いた女、誰よりも重い業を背負う女・カルメン



抗えないし隠しきれないくらい惹かれあってるのがわかる瞬間って確かにある。
言葉にしなくても、目で、表情で、手のかすかな動きで、何考えてるのか全部手に取るように感じられて、じれったくてたまらなくなるような気持ち。
どうしようもなく惹かれあってるって事実と、上手くいかない未来が分かりきっていることに打ちのめされそうになる。

そんな未来をつゆほども想像せずに、ただただまっすぐに「愛のようなもの」を向けられると、降伏するしかないよね…とカルメンを観て、その決意と、台詞に感じる諦念と少しのずるさに胸が詰まった。


 

自分ではどうにもできない濁流みたいな抗えない力で動きだすのが『恋』 そういうどうしようもない気持ち。 どうしようもないけど諦めているわけではなくて、 「その濁流、泳ぎきってみせるけど?」 みたいな、世界一強くなったような錯覚を起こす気持ち。 (だから気が狂ってると自分で思う)

愛にも恋にもなりきれない 〜ガチ恋アンサー〜 - 晴れた日のねどこ

 

 
 
これは以前ブログに書いた、「恋」について自分が思っていることです。
カルメンが劇中でホセとの二人の関係・気持ちを「濁流」と表現してたんだけど、ほんとに…ほんとにもう…うまい言葉が見つからない…
カルメン、一緒にお酒飲みたいよわたしは…(突然の告白)



というか、この登場人物全員とお酒飲みたいんですよわたしは。
モブ兵士の、階級に縛られながらもカルメンに惹かれ、自分自身の気持ちを否定し、彼女に決して心は開いてもらえないことに対する鬱屈ですら、もはや愛しい。
 
何を言ってるんだ?って感じだけど、恋も性欲もすごくピュアというか、気持ちとして純粋そのものだと思うんですよ。すっぱい葡萄みたいに相手を蔑んだり…という部分の話じゃなくて、自分を突き動かすような衝動というところに焦点を当てると、全然嘘がないと思うんです、人間の感情として。
 
だからもう、登場人物全員に「そうだね、わかるよ」って言って回りたい。
 
 
素晴らしいよロマーレ…ほんと全人類見てくれ…

正直恋愛ものでこんなグッとくる話に出会えると思わなかった。




以下、Twitterに書いたそれぞれの役についてちょこっと。


■スニーガ
伊礼さん、インタビューをみたらスケベな感じに…とかもうちょっと若かったらホセ役が来たかもしれないけど36歳だから(スニーガ役が来た)とおっしゃってて、え!TENTHのときあんな王子様みたいだったのにどうなるの!?と思ったら、スケベな権力者だった…!力で女を服従させるタイプ…! えろい!
権力持ってて周りが自分に従う人ばかりの人って、カルメンみたいな意のままに操れない女大好きだよな!わかるぞ!そういう存在を力でねじ伏せると興奮するんだろ!わかるぞ!!!!(決めつけ)


■ローレンス(太田基裕
思ったより出番が少なかったのがさみしいんですけど、めちゃくちゃ純粋じゃないですか…。カルメンに惹かれつつああいう心情って、浅瀬でキャッキャしてるぶんには楽しいけど深みにはまったらめちゃくちゃつらいやつじゃないですか…
つんと澄ました顔で、ロマの女であるカルメンを蔑みつつもものにしたいと思ってて、なんかでもそれって板挟みじゃんめちゃくちゃつらいじゃねーーーーか!!!!!なんだよ……あと軍服かっこいいです……
一幕のぷりぷり怒ってる太田さんが新鮮でした…落差!!!
 
 
 
 
 

 

 衝動的に追いチケしました。

 
 
また観られるのが楽しみ…。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
一点だけモヤッてるんですけど、東京芸術劇場プレイハウスのS席ってどこまでを言うんでしょうか…
S席と記載されてたけど、1階席の後ろから2,3列目レベルもS席扱いなの…?
と妙に納得がいかず。2階がA席なのかな。それとも貸切公演だと席種も違うのか?と気になってる。真相はいかに。